17歳の不良と6歳の殺し屋
だが、対照的に翡翠は少しぶそくっているようだ。
どうやら、『ルパンの銃』という認識が御気に召さないらしい。
翡翠はそのままフンッとそっぽを向いて、雫のベットに座ると銃を布で磨きながら語り出した。

「これは第二次世界大戦の時のドイツ軍の制式拳銃だったの、それ以前にもルガーP08と言う完成度の高い銃があったのだけれどソレは生産率が悪かったの。そんな時に戦争が始まってしまって銃を大量に作って兵士に持たせる必要があったの。そんな時にドイツが採用したのがコレだ。ダブルアクションで口径9mm。装弾数は8発。特殊なロングマガジンも存在する。こちらも命中精度は高く、完成度の高い銃で故障も少ない優れものよ」

翡翠はうっとりと己の銃について語った。
いつの間にかハリスは雫に近くにいて、自分の語りに入っている翡翠に気付かれない様にヒソヒソと会話をしだした。
< 88 / 276 >

この作品をシェア

pagetop