イケメンゴースト
「こっちにはこっちの事情ってもんがあるの」

私が小さくつぶやくと、純は携帯を取り出して、誰かにメールをうち始めた。

ものすごいスピード。
両手で打ってるし。

短い沈黙が過ぎたころ、
私の携帯がなった。

『俺らは男だ。力でなんとか出来るだろ?けど杏は女だ。力なんか…ケンカしてケガなんかしたら、かわいい顔が台無しになっちまう。そうなる前に助けたいんだ。これは、俺の願いでもあるけど夏の願いでもある。
そうだろ?好きな女守りたいって思うのは誰だって一緒だ』

そこでメールは終わっていた。
かわりに純が口を開く。
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