イケメンゴースト

よかった。
純は寝返りをうっただけだった。

「純。気付いてあげられなくてゴメン…。
ずっと前から暴力ふるわれてたの?全然わかんなかった。……痛い時には痛いって、泣きたい時には泣いてもいいんだよ?
 1人で抱え込んでるのは私じゃなくて、純の方じゃない」

純の左手を握ったまま
小さい声で問いかける。

疲れているらしく純は全然起きない。
無理に起こさなくてもいいっか…。
今日は寝かせてあげよう。
「おやすみ」
私は純におやすみって言った。
“明日詳しく聞かせてね”
の意味も込めて……。
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