イケメンゴースト

ゆっくりと★


  次の日―
私は夏の入院中している病院へ向かう。


  「おは…よ…?」

でも夏からの返事はなく、
窓側を向いているので顔が見れない。


  「…帰る」

しばらくの沈黙の後、
私は鞄を持って病室を出ようと、ドアの方に足を向ける。
「…帽子かぶってんの初めて見た」

急にはっせられた夏の呟きに耳をかたむけている私。
でも夏は、1度もこっちを見ていないからわかるはずがないのに…なんでわかるんだろ?

  「黒い帽子…」
驚いて夏を見ると、
やっぱり窓の方を見ている。
 何見ているのかな??

何気なく窓の方を見ると
まるで鏡のように私と夏の姿が映ってる。
< 144 / 346 >

この作品をシェア

pagetop