ココとマシロ


そのマシロの質問に、ココは「いけなくはないけど…」と、気持ちを表す言葉が見つからないのか、もごもごと口ごもる。


「僕は良いと思うよ」

「え?」

「僕は、ココはそのままで良いと思う」


そんな事に悩む必要なんかないんだと、マシロはココに教えてあげたいと思った。

そんなココだから――僕は、ここに居るんだと思う。


「だって、それがココでしょ?」


マシロは分かっている。ココは、あっという間に大人になるのだという事を。今のココだっていずれは変わってしまう。


「誰が何を言ったとしても気にする事ないよ。そのままのココが、僕は一番好きだ」


だから、そんなに急いで変わろうとしないで欲しいと思う。ココが変わってしまう事は、今が変わってしまう事。

そう思ったら、マシロの言葉に笑顔で頷くココに、マシロは妙に切なくなった。


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