ココとマシロ
――次の日。
ココは、昨日の落ち込み様が嘘のようなスッキリとした笑顔で教室に現れた。それを見た笑華と直哉は顔を見合せ、あれ?と首を傾げる。
「なんか、ぜんっぜん気にしてなさそうだな」
「…うーん。今回は結構気にしちゃったかなぁと思ったんだけど…まぁ、気にしてないならそれはそれで良いんだけどね」
そしてそんな二人の会話に「え?何がー?」と入り込むココ。その、自分の事を言われているとはこれっぽっちも思っていないであろう表情に、思わず笑みがこぼれる直哉。
「幼いって笑華に言われたんだろ?ココが結構気にしてたけど大丈夫かなって、笑華がずっと言ってたんだよ」
「いや、ずっとは言ってないけどね」
「とか言ってな、心配してたクセに」
「まぁちょっとくらい心配したけど、別にそこまでしてないからね」
そう言って、直哉からツンッと顔を逸らして「あたしトイレ行って来るー」と、教室を出る笑華に、「素直じゃねぇなぁ」と直哉は苦笑した。