ココとマシロ


「…ココちゃん?」

「……」

「ココちゃん、どう…したの?」

「……」


笑華の目に見えている光景は、ココが震える自らの体を抱きしめながら、ポツンとたった一人でしゃがみ込んでいる姿だけ。それだけでも、また自分の知らない世界が関わる何かがあったことはすぐに察知出来た。

笑華はそっと視線を直哉に移す。直哉にはきっと彼が見えているんだと思ったから。一度だけ見た、目の前で話した、あの真っ白な彼。きっといる、マシロはいるはず。

直哉は、コクンと頷いた。


「ココ、どうしたんだよ。危ないから戻るぞ」

「……」

「大丈夫か?」

「……」


ココは何も答えない。

マシロも、こちらを見ない。


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