ココとマシロ
「…恐い?」
コクンと頷くココに「それはオレ達がってこと?」と直哉が尋ねると、ココは少し迷った後に首を横に振った。
「違うの、違くて…でも、違くなくて…」
「何?」
「えっ…いや、えっと、その……外が…」
「外?」
「外に出るのが……恐いの。外に出て人に会っても、ココにはなんにもわからなくて、みんなもわからないし、でももしまた、もし会ったら、ココはきっと、あれが居たらココ、そしたら…っ」
そうたどたどしく説明し始めたココはだんどんと声が涙まじりになり、か細く震えていた。そして息づかいが荒くなるにつれて、ココは冷静ではいられなくなった。
「い、嫌!もう嫌!嫌なの!もう恐いのは嫌!外は嫌!みんな嫌!ココは違うの!ココはみんなと違う!だから、だからココだけっ、なんでっ⁈もうやだ!マシロ!マシロ来て!」
「来なくていい!」