ココとマシロ


教室に入ると、すでにそこには笑華の姿があった。


「お?珍し!」


そう思わず口に出した直哉だったが、笑華はしれっと無かった事にする。


「…ココちゃんおはよ」

「おはようエミカちゃん!昨日はありがとう!」


朝にピッタリなにこやかな笑みを浮かべて言うココに、笑華もつられて笑顔になった。が、しかし。直ぐにその笑顔を引っ込めて笑華は神妙な面持ちになる。


「今日は、話…ってか、あの…」

「?」

「……ココちゃんに、謝ろうと思って」

「…えぇ?」


何を⁈ と、思わぬ状況に驚きを隠せないココ。あまりの驚き様に直哉は声をあげて笑いそうになるが、笑華に一睨みされ、必死に笑いを堪えた。


「あの…ココちゃん」


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