ココとマシロ
と、その時。
「あ、ミナミちゃんおはよ!」
自然に隣を通り過ぎた美波に、ココは変わらぬ笑顔で挨拶をする。そんなココに昨日の出来事が頭にある笑華はギョッとしたが…心配は、無用のようだ。
美波はあんなことがあったというのに、何事も無かったかのように「おはよう」と挨拶を返した。しかも直哉はともかく笑華に対しても。
直哉の前だからか?とも笑華は思ったのだが、その後の様子を見ても特に引っ掛かる部分は無い。
だとしたら原因はやっぱり……
「……ココちゃんさ、昨日美波に何したの?」
きっとこの、二人目の何事も無かった顔の少女、ココにあるだろう。
するとココはその問いに、何の事だか一瞬考えたようだったが、すぐに笑顔のままで答えを出した。