彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった
撮影は最初はレイナさんから撮っていく。
駅で少し早めに来て祐輔を待つって設定。
ただ立ってるだけなのに、ほんと絵になるっていうか。
さすが人気モデル。
祐輔の隣に立てる人…
「杏里ちゃん。ちょっといいかな?撮影イメージなんだけど…」
突然、優斗君が話かけてきて、あたしは慌てて仕事モードに切り替える。
しっかりしなきゃ、これはあたしの仕事なんだから。
優斗君は、そんなあたしを見て優しく笑った。
…あぁ、この人はほんとにすごいな。
きっと今声かけてくれたのも、あたしの為なんだ。
そう思ったら、また胸が痛む。
でも、優斗君が隣にいてくれて、よかった。
今、心からそう思うよ。