彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった


「じゃあ次のシーンから、悠さん入ります!」

「よろしくお願いしまーすっ。」

そう言って、祐輔がロケバスから降りてくる。

また心臓が、大きく高鳴る。

どーしても、ごまかせない気持ちがある。

だけど、押さえなきゃ…


「祐輔~!!」


そう大きく手をふりながら、祐輔に微笑む彼女は

すごく可愛い。




…やだ、”ゆうすけ”なんて呼ばないで。






そして、祐輔が彼女に向けた笑顔は、



…優しかった。





初めて、高校の時の彼と、今の彼が重なる。



どうしよう。


苦しい。





苦しいよ、祐輔。



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