彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった


「…あたしがさ、今祐輔の彼女でいられるのはさ、ただ運が良かっただけなんだよ。たまたま祐輔ん家の隣に住んでたからで。あたしずっと考えてたの。もし祐輔ん家の隣に住んでる女の子があたしじゃなかったらって。きっと祐輔はその別の子と今一緒にいるんだよ。」

「何だよ、それ。お前本気で言ってんの?もしもとか意味わかんねえんだよ!杏里(アンリ)の方こそ、だったら隣が俺じゃなくて別のヤツでも付き合ってたって事かよ。」

こんなに怒った彼は、18年間生きてきて初めて見たんじゃないかと思う程だった。

当然か。

過去はもう変えられないから、言ってしまった言葉は取り消せない。

でも、あの時は本気でそう思ったの。

あたしのどこをとっても、他の女の子に勝る所なんて思い当たらなかったから…


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