彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった

「…オレ、実は。この業界入ったのがきっかけで、その彼女とダメんなったんです。で、入った時は、彼女の為なら、こんな仕事すぐ辞めてやるって思ってました。でも、そんな時、レイナに会って。アイツに、この仕事の面白さとか、教えてもらったつーか。気づかされたことがあって。今ではずっと続けていきたいって思える仕事になったし。そーいった意味で、レイナはマジで大切なヤツなんだけど。そこに恋愛感情はないっていうか。で、なんか話それましたけど、」

そう言って、祐輔が笑うと、また周りも笑う。


「とりあえず、オレにとっては、ファンも大事だけど、それ以上に、アイツにそばにいてもらいたいっていうか。いや、やっぱオレも人間だし（笑）　人と同じように恋はするんで。オレを好きだって思ってくれるなら、たとえ恋人が誰でも、これからも変わらず応援してくれると嬉しいかなって。」


…あたしは、なんてバカだったんだろう。


祐輔に、こんなに思ってもらってることにも気づかずに


傷つけて


周りばっかり気にして



大事なモノを


見失ってた。





気づいてみたら、



こんな単純なモノで



どうしてあの時、見えなかったの？




…今さら、分かったよ