『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
明日は…金曜であるが、
当然デートの予定なんてのはないので真っ白…かと思いきや
珍しく『ろんりー☆ぼーいず』の桃山のシールが貼ってあった。
あー、そうか。
明日はろんりー☆のオフ会をするんだった。

月に一度、女3人男1人で開かれるミーティングである。

特に何をするわけでもないが、
『ろんりー☆』イベントで知り合ったメンバーに寄る会合なので
話題は自然と『ろんりー☆』ネタで持ちきりなのである。

『ろんりー☆ぼーいず』12人のBL掛け合わせを話し合うという
腐女子冥利につきる垂涎のお楽しみなのだ。

土日の予定にも目を向けると、
残念なことに空欄の2日間であったが、
来週、そう。合コンの次の日の予定には
「13:00- 秋葉原メディア館、5階。
マチルダの写真集。抽選券配布。」

と書いてあった。

あぁ!もうすぐではないか!
近年、彼のイベントというイベントの抽選を運命の女神に嫌われたの如く外しまくり、苦汁を呑むに比例して、彼の人気は鰻登り。
今や整理券さえ受け取るのが難しくなりつつある、
憧れ声優マチルダに逢えるチャンスの抽選日である。

今度こそナマチルダを見る!!と興奮してきた佳奈子はハッと我に帰り、
シャワーを浴びて明日の準備をしようと
手帳を閉じ、明日の出勤用カバンに入れた。

最早、先ほどビッチから賜ったありがたい説法は
忘却の彼方へと姿を消してしまっているようだった。
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