黄色い笑顔



私は怖すぎて声が出なかった

涙が出るだけ

後ろはもう行き止まり

「泣いてる顔最高だね」

気持ちわるい

「やめて」

「んふふふふふ」

山下くんの手がのびてきて、
私のYシャツに手をかける必死に抵抗するが
男子の力には勝てない

ヤバい…

恐怖で涙があふれだす

山下くんが私の下着に手をかけた

「こんな所でやめてくれる?」

その声と同時に山下くんの手がとまる

私も声のする方を見た

立っていたのは
木下くん………………

「お前なんでここに!」

冷静だった山下くんが
急に声をあげる

「何って忘れものだけど?てかお前ら何してたの?ここは学校ですけど」

「僕たちは話してただけさ…」

「ふーん、でも話してるだけには見えなかったけど?あきらかにお前ヤろうとしてただろ?まっ中山泣いてるからお前から一方的に?」

その言葉にカチンときたのか

山下くんは持っていた
ナイフを木下くんにむけて、
襲いかかろうとした

だけど軽やかによけて
山下くんのみぞを蹴った

うわ…痛そう

「………っ!」

「お前俺とケンカするのは100年早い。」

「覚えとけっ!」

そう言って山下くんは
走ってどこかに行った

私のそばにくる木下くん

安心したのか私の目からは涙が
あふれだす








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