あんな。めっちゃ、だいすきです。




「・・・みとも、あんな。」


ぽんぽん。て膝たたかれて、耳元に口を寄せられる。


どしたんアヤちん。


かたっぽの耳に意識集中しとったら、



「神崎くんとつきあうことんなった。」



…アヤちんからの、まさかのびっくり発言。


神崎くんて…神崎くんて、もしかしてあの。



「〜えええっ!?ホンマにぃ!?……あ。」



でっかい声出して、しまった!ってあわてて口押さえた…けど、もうおそい。


そうっと顔をあげたら、目先にはめちゃめちゃ不自然な笑顔。


うわ、全然目ぇ笑ってないで…!!



「す…すいませーん…」



首をすくめてちっちゃくなって謝ったら、コワイ笑顔の女の人…看護主任さんは元の顔におもどりになって。



「じゃ、プリントの1番最後を見てー」



って、またキビキビ説明を始めだした。




…出鼻っからこんなんなってもたけど。




─今日からいよいよ、病院での最後の看護実習や。




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