あんな。めっちゃ、だいすきです。
なんかさっきの言葉を思い出して、今さら頭の中が熱くなってきた。
─みともと、ちゃんと改めて新しい家探して、住みたいなって。
─だってずっと一緒におるやろ?
なんかそれって。
それってなんか、プロポーズみたいやんか。
「お2人で住まわれるんですか?」
「ぅえっ!?」
ゆであがっとる頭ん中、いきなりお姉さんにそんなこと聞かれて変な声が出た。
ぅえっ!?…って。
ダチョウみたいやな。ダチョウの鳴き声知らんけど。
お姉さんが不思議そうに首をかしげる。
「来年の春から、一緒に住みたい思てるんです」
「あら、そうなんですね〜!」
隣のいっちゃんがさらっと、そう答えてくれた。
…顔が熱い。
いや、今やって一緒に住んどるのにな。
なんか。なんか…うん。
落ち着かんくて、左手の指輪をくるくる回す。
お姉さんは勢いよく立ち上がると、見事な営業スマイルでこう言った。
「車で行ってみましょうか?現物見たほうがわかりやすいですし!」