あんな。めっちゃ、だいすきです。
ハデな黄色い車に乗せられてたどり着いたのは、4階建てのアパート。
お姉さんに案内されて、3階の1番奥の部屋に入る。
アパートは外見は古そうやのに、入ってみたら新しい匂いがした。
「ここが10畳のお部屋になりますねー。最近リフォームされたてなんで、結構きれいなんですよ」
「へぇ…」
確かに床はフローリングで、ぴかぴかしとる。
近づいたら、顔映りそうや。
「うわっ!みとも見て!!クローゼットめっちゃでかいでっ!!」
お姉さんより先に部屋に入ってはしゃぐいっちゃん。
「そんな広いんやったらいっちゃんクローゼットに住んだらええやん」
「ドラえもんか」
「そんなエエもんやないし」
いっちゃんをクローゼットに押し込もうとしながらそんなん言うとったら、お姉さんがクスクス笑ってた。
…いっちゃんのせいで笑われたやんか。
それにしても、家具とかモノがないだけでこんな広いんやなぁ。
部屋をぐるっと見渡してそう思う。
今住んどる家やって一応8畳あるけど、ごちゃごちゃしとってめっちゃ狭いもん。