あんな。めっちゃ、だいすきです。
だからアヤちん、目がこわいって。
ビーム出そうやって。きいろいやつ。
「いっちゃんに背が高くて包容力があって男前で(以下省略)な友達紹介してって、頼んで!!」
…その条件の多さをまずは何とかしようか、アヤちん。
「うわっ、今日めっちゃ人多いなぁ!」
─その次の土曜日。
ウチといっちゃんは、野球球場におった。
人生初の野球観戦。
球場にははじめて来たけど、ソワソワとワクワクが混じってるかんじ。
球場は混み合って、ただでさえ暑い日中の空気をさらに盛り上げとる。
帽子と、ユニフォームと、メガホンと、ビールと、やきとりと。
…野球観戦って、なんかお祭りみたいやなぁ。
そう思ってふと顔を上げたら、いっちゃんと目があった。
いっちゃんの手にもすでにやきとりが1本。
すばやい、いつのまに買ったん。
「ん。食う?」
いっちゃんが差し出したやきとりに手を伸ばそうとしたら、横からにゅっと顔が入りこんできた。
…あれ、やきとり無くなった?