あんな。めっちゃ、だいすきです。


…うん。おいしくないわけやないけど、やっぱ自分で作るとどうにも味がワンパターンになる気がすんねんな。



「今日の試合はすごかったなぁ〜!!」



そんでおとうさんは、さっそく顔が真っ赤になってきとる。


昔かっらお酒が弱いおとうさん。

おかあさんは強いから、ウチはその中間なんかそこまでは弱くない。


けどずっと外出とって疲れとったし、ちょっと飲んだだけで今日は気分がフワフワした。



「なんかなぁ、おとうさんも高校の頃思い出してしもたわ」

「ウソやん。おとうさん吹奏楽部やったやろ」

「……や、やからぁ!!なんていうか…青春っぽいかんじを思い出したわけで!!」

「ハイハイ」



もう一口、ビールを流し込む。のどにしみる苦み。



…おとうさんとこうやってビール突き合わせるなんて、高校生の時は思いもせんかったなぁ。


大学生なって、飲み会とかがフツーんなって、そんで親とも晩酌できるようになってる。



めっちゃ不思議やなぁって思った。


なんか、いつの間にか時間は経ってて。



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