シュガーズ


「………やっぱり変じゃないかな?」

「可愛いから大丈夫だってぇ」



2学期の始業式の日の帰り

芽依ちゃんと一緒に美容院に行くことになった

あたしは長さを変えないで髪の毛の量を減らすだけのつもりだったのに…

1人で来てたらできないようなオーダーとか芽依ちゃんが提案してくれて

気づけば勢いでこんな頭になっていた



「パーマも染めたのも初めて……」


必要以上に自分にお金をかけるなんてばかばかしいって思ってた

化粧だって 服だって もちろん髪の毛だって

あたしはお金も時間もかけたことがなかった


完璧に仕上がった髪型のわりに自信なさげな表情のあたしが鏡に映る

大丈夫………かな?


「可愛いって~」


ニコニコの芽依ちゃん

彼女の表情を見て少しだけ自分に自信がつく



「稚空君 きっと喜ぶと思うよっ」

「………秦野君の名前出すのはずるいよ」


恥ずかしくなって下を向く

誰かのために可愛くなりたいって思った

あたし 変わったみたい


芽依ちゃんは明るかった髪の毛の色を少しだけ落ち着かせていた

キレイなクリーム色

柔らかい印象の芽依ちゃんにはぴったりだった


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