シュガーズ

joker



センチメンタル 澪梨

ため息しかでない

秦野 稚空も知永 衣都もりっちゃんも芽依ちゃんも

晴緋君も

みんなみんな大嫌い


秦野君の言葉が刺さっていまだにズキズキ胸が痛い




「大きなバケツがあるとするじゃん」


バイト中

なんの前触れもなくあたしは話し始めた



「中にはたくさん水が入るの」

「………それで?」


よっこちゃんが首を傾げる


「バケツには下のほうに大きな穴があいていてそこからどんどん水が溢れてく」


注いでも永遠にたまるはずなんてない

だって壊れてるんだもん



「………それが今のあたしなのかもね」


あたしは壊れたバケツ

空っぽなバケツ

だから いつまでたっても満たされない

何をしたって満たされっこない

穴をあけたのはトモダチ 家族 彼氏

そして 自分自身ってこと?





「それは違うよ みお」

「…………え?」

「穴なんてあいてないし」



よっこちゃんは続ける


「全部あんたの思い込みだよ 勝手に壊れたって思ってるだけ」

「…………。」

「みおはそんなに弱くない」



違う

そうじゃない

だけどあたしは言い返せなかった



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