シュガーズ

strategy



それは突然

やってきた



「……わかりました」



朝のホームルームが終わるとすぐに

あたしは担任の先生に廊下に連れ出される


なんだかすごく嫌な予感がした

そして案の定

あたしのその勘は的中した



゙キャバクラ"のバイトがバレた

バレた……っていうのは少し違うかも


噂は今までもあって

先生たちも薄々 気づいてた


それでも目をつむっててくれたのに

今回はどうしようもないみたい


保護者からのクレーム

生徒の誰かがリークした


事情も知らないくせに……


「失礼します」


謹慎1週間

これって軽いのかな?



あたしに与えられた選択肢は2つ

バイトをやめる

それか

学校をやめる


1週間で決められるかな?



「おはよ」

「……。」

「あれ 知永さん帰るの?」



別に学校やめるのに抵抗はない

未練はない

名残惜しくなんかない


ただ

お母さんと約束したから


『高校は卒業する』って……



だからといって

今バイトをやめたら眞子にみじめな思いさせちゃうことになる


「……。」


困ったな


とりあえず

謹慎中に稼げるだけ稼ごう

< 50 / 287 >

この作品をシェア

pagetop