シュガーズ

「知永さん 停学なんだって」

「そうなの?バイトでもバレたのかな……」



バイト禁止なんて校則があるけど

たいていの子はバイトしてる

現行犯は別にして

先生たちも黙認してる


あたしだってやってるもん


「晴緋君 知らないの?」



でも

さすがに゙保護者"が出てきたら

処分せざるを得ないじゃん?

言ったのはあたしの両親じゃないけど




それが特待生だって例外じゃない




「キャバクラでバイトしてるってウワサ……」



ほんとば退学"期待してたけど

まぁいいや



「あたしはまさかって思ってたんだけど……」

「キャバクラ?」

「停学ってことは本当だったんだね」




視線を落とす


ウワサが本当かなんて問題じゃないけど

この際だからね



「事情があるんじゃねーの」


「………でも 事実は事実でしょ?」



あたしは嘘ついてない

それに

単なるウワサだったら否定するじゃない

否定しなかったのは知永さんじゃん



横から口を挟んでくる秦野君に笑顔を向ける

笑顔で圧力をかける



「事情……かぁ」

「ハル 心当たりでもあんの?」

「いや 別に」


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