シュガーズ


学校が終わってそのままバイトへ向かう

教室を出るときに

藤森 晴緋がなんだか不安そうな顔をしているのが見えた



「お世話になりました」


直接向かったのばキャバクラ"のバイト

あたしはオーナーに深々と頭を下げる




「衣都ちゃん あのね」



早苗さんが言う



「1つ お願いがあるんだ」

「……お願い?」



早苗さんの顔を見る

すごく真剣な表情




「舞子さんの入院費 あたしに払わせてほしい」


「………。」



なんで?

早苗さんがそんなこと言うの?




「衣都ちゃん あたしね……」




あなたのお父さんと浮気してたの




「や……やめてっ」



言わないで

聞きたくない



「やめてください」

「衣都ちゃん……」



あたしの反応を見て 早苗さんは何かを察したようだった



「あなたたちの面倒はあたしが見るわ」

「………。」

「それがあたしにできる唯一の報いだから」

「………。」

「それにね」


あたしは早苗さんの顔が見れなかった

ただ

下を向いて言葉を噛みしめていた


゙報い"



「衣都ちゃんたちのこと 大好きよ」



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