美男子症候群!?
ようやく自分の危機を理解した瞬間、菊池くんの体が勢いよく離れていった。
驚いて顔を上げたら、そこには拓海くんが冷めた目をして立っていた。
これってもしかして、あたしを助けてくれたの……?
「いってぇ~! なんだいきな……あ」
床に転がった菊池くんが、拓海くんの姿を見て固まる。
「なにやってんの、おまえ」
「拓海……おまえこそ。なにしに来たんだよ。俺は野宮さんとちょっと大事な話をしてただけだし」
「大事な話? 俺にはおまえが野宮を襲ってたようにしか、見えなかったけどな」
「はぁ? そんなわけねーじゃん」
オイィッ! あるだろ!
押し倒そうとしただろ!
堂々と嘘をつく菊池くんに、いい人の影はもう少しも見られない。
うわー、すっかり騙されたよ。