美男子症候群!?

鼻血が出るだの出ないだの。


そんなことなにも知らない先生に言っても、先生が困るだけなのに。



わかっていても、止められなかった。



涙と一緒に、行き場のない感情が、言葉になって溢れでる。




「おーい、なんの騒ぎだよ? あれ、おまえ帰ってきたのか。なんだよ、いま帰りアイス買って来てってメールしたのに」



「うるさいバカ兄―っ! あっち行ってて!」



「ひでーな妹。兄ちゃん泣くぞ」




2階からのそのそと、空気を読むというスキルをいまだに習得できていない残念な天然兄が降りてきたけど、かまってる余裕なんてない。



だってあたしはついさっき、短い人生の中でいちばんの、大失恋をしてしまったんだから。




「どうして鼻血が出ない相手が、拓海くんじゃないんですか!」




ドンと強く、先生の胸をたたく。



こんなの完全に、ただの八つ当たり。


久木先生はなんにも悪くないのに。

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