美男子症候群!?


「あの……あたし、先生と以前にも、会ってるんですか?」




笑顔でうなずく久木先生。



うそ、家庭教師と生徒として会う前に、出逢ってたってこと?


いったいいつ?



記憶をさかのぼって、なんとか思い出そうとする。


でも、思い出の中のどこにも、久木先生は見つからない。



いやいやいや、うん、だってね。


ありえなくありませんかね。



こーんなSMUHなイケメン様と出逢っていたら、あたしが忘れるわけないじゃあございませんか。


イケメン愛護協会会長(自称)のこのあたしが。




「久木先生。あの、なにかの間違いじゃ? あたしやっぱり、先生と会っったことなんて、ないと思うんです」



「うーん。そんなに変ったかな、俺。ちっとも気づいてもらえなくて、最初ちょっとショックだったんだけどね。ここまでわからないとは思わなかったな」




頭に手をやりながら、久木先生が少し困ったように微笑む。



そんな困ったお顔も素敵で……じゃなくて。


そんな困ったお顔をされても、あたしも困っちゃいます。



だって本当にちっとも、これっぽっちも思い出せない。

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