美男子症候群!?
「ハルちゃん」
「……はい」
「ごめんね?」
突然耳元で謝られて、あたしは数度、パチパチとまばたきした。
どうして久木先生が謝るの?
きょとんと先生を見上げると、申し訳なさそうな笑顔が待っていた。
「困らせるつもりなんて、なかったんだ。ただハルちゃんの力になれればと思っていただけなんだけれど、混乱させるだけだったみたいだね。本当にごめん」
「えー……と?」
困らせるつもりなんてなかった?
あたしの力になれればと思ってた?
それって、どういう意味でしょう。
頭が混乱しはじめると、涙が自然と止まっていた。
涙のあとがついたあたしの頬を、久木先生の細い指がぬぐってくれる。
「泣き虫なところは、昔と変わらないね、ハルちゃん」
「むか、し?」
「もう俺のことは、忘れちゃったかな。ハルちゃんが小学生の時以来だもんね」