美男子症候群!?

そう言って、久木先生は手をちょっとずらして、顔の上半分だけを隠して見せた。



これのなにがヒントなんでしょうか?



あたしはじーっと、先生の顔の下半分を見つめた。


目を隠しても、充分お綺麗です、先生。



唇つやっつや、肌もつるっつる。


ホクロ1つ見当たらな……ん?



あ、あったホクロ。



口の端にうっすらと、小さくてよく見なきゃわからないくらいのホクロが……。



その時、久木先生の顔に、別の人の顔が重なった。





「……いやいやいや。まさか、ね」



「ん? まだわからない? じゃあほんの少し、昔話でもしようか。
俺は子どものころから、同級生にバカにされるくらいの、重度のファザコンだった。自分でもおかしいんじゃないかって、悩んだこともあったんだけど。
そんな俺を優しくはげまして、勇気づけてくれた女のコがいたんだ」




懐かしそうに目を細める久木先生。



あたしは聞きながら、心臓がどくどく鳴りだした。





だって、この話って……。


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