半熟cherryⅡ

俺も男だ。

好かれて悪い気はしない。



でも。

正直めんどくさいんだよね。



手紙、受け取るとカンチガイするヤツいるし。

なんも知らないのに。

いきなりの“好き”は受け取れないだろ。





「…朝からモテモテね〜」



ため息吐き吐き路地から出て。

学校に向かって歩きだしたら。

後ろから聞き慣れた声がした。

振り向くとそこには。



『「…一美センセイ?!」』



「おはよ。
なかなかカワイイ子たちだったじゃない」

ニヤニヤしてる一美センセイ。



……ちょっと……

覗き見とかカンベンしてよ……。



「“彼女”が知ったらヤキモチ妬くんじゃないの?」

『…さぁ?』



妬くか妬かないか。

アナタの方が知ってるデショ?



「…一美センセー、今日は車じゃねぇの?」



何も入ってないような。

軽そうなバッグに封筒を押し込みながら涼真が言った。



 

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