アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】
「ん?
どうしたの?」


“こちらを向いて”と言われても、素直に瑞貴サマを見れないあたしに


「君が望んだことだろう?」


瑞貴サマは、小さい子をあやすような、諭すような響きを持った声で


「それなのに自分で上を向けないのかい?」


あたしの頬に触れる手に力を込めた。


それなのに――…


ううん、それだからこそ。


憧れの――…


憧れて憧れてやまない瑞貴サマに両頬を包み込まれて


「んっ…」


失神寸前、ぎゅっと目を閉じたあたしに――…

< 2 / 547 >

この作品をシェア

pagetop