♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「牧村さん、辛いでしょ?瀬戸内のせいで」

あまり、あいつの名前は聞きたくない。

「その話は、もういいよ…」

あたしは、自分から視線をそらす。

やっぱ、本当は苦しいよ…

あいつのせいで。

うつむいて、物思いにふけるあたし。

あたしが座るブランコが、キイッと音を立てる。

彩木が、あたしの手の上から鎖をつかんだ。



「彩木…」

あたしの左手は、彩木の右手にスッポリおおわれている。

なぜか、一本の鎖を一緒につかむ形になってしまった。



「俺だったら、そんな顔させないよ」

彩木は、あたしの左手をグッと握った。
< 273 / 298 >

この作品をシェア

pagetop