♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
ガサッと木の枝が揺れる。

ハッと我に返って、目を開けるあたし。

音がした方向に視線を向けた。



「瀬戸内、なんで…」

どうして、ここにいるの?

あたしは、慌てて彩木から離れる。



「こんな場所で何やってんの?」

淡々と言って、こっちへ歩いてくる瀬戸内。

瀬戸内、怒ってるの?

その無表情な瞳からは、何も読み取れない。



「見ての通りじゃん」

あたしの代わりに答える彩木。

瀬戸内は何も言わずに、あたしの隣で立ち止まった。
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