夢のヒーロー
その瞬間に、少年の意思に応えるかのように、突如として灰色がかった厚い雨雲が、空一面を覆いだしたでわないか。


その雨雲は雨を降らし、少年の喉を潤すと同時に、荒れ果てた大地をもうるおした。


「ちょうどいいタイミングに降ってきたなぁ」


そう少年が呟いた瞬間だった。突然荒れ果てた大地は姿を変え、緑が生い茂り始めた。


「なんだ!?ここは現実じゃないよね!?」


そう言って少年は、自分の頬をつねってみる。


「・・・痛い。現実じゃん」


「あんがい夢の中でも痛みは感じるものよ?」


後ろから聞こえてきた声の方へ振り返る。そこに立っていたのは、ショートヘアーで白いワンピースをきた少女が立っている。
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