恋のベクトル。
Prologue

「くっそ、どいつもこいつも
巨人、巨人ってそんなにアタシ
に対して恨みでもあんのか
コラァ!!」

「身長はどうしようもない
よねぇー168cmだっけ?」

「167cmだ馬鹿ぁー!!!!」


弁当に入っているタコさん
ウィンナーをぐさりとフォークで
刺したのは巨人こと、
野崎 梓(アズサ)である。


「たかが167cmだよ!167!」


目下の悩みはこの身長。

男子なら足りない位だと
嘆くかもしれないが、生憎
梓は女子なのだ。

女子で167cmと言うと
「大きいね」
と言われてしまう。

「何よ!男女差別反対!」


新学期早々「巨人」と言う不名誉
なあだ名を付けられた身にも
なってみろってんだい。


「けど確かに年頃の女の子
に対して巨人はちょっと
ばかし酷いよね」

そう答えて梓の弁当の卵
焼きを奪ったのは親友の
木村 花乃(かの)だ。
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