恋のベクトル。
アタシがしどろもどろに理由を
あれこれ考えている間も花乃と
言ったら完璧に傍観する構えだ。
元を辿ってみれば花乃が…
そこまで考えてたのがプツリと
途切れてしまったのは高梨が
とんでもない提案を出したから。
「じゃあ走ってみろよ」
「………………は?…走る?」
走るって、何処へ?誰が?
「巨人、お前走れ」
こ…こンの野郎…っ…!!!
「分かった、走れば良いんでしょ!!」
――ただし、条件つきだ!
「――競走相手は高梨で!!」
豆鉄砲でも食らったような
きょとん顔を見てザマーミロゥ
と思ったのはここだけの話。