恋のベクトル。


アタシがしどろもどろに理由を
あれこれ考えている間も花乃と
言ったら完璧に傍観する構えだ。


元を辿ってみれば花乃が…


そこまで考えてたのがプツリと
途切れてしまったのは高梨が
とんでもない提案を出したから。


「じゃあ走ってみろよ」





「………………は?…走る?」


走るって、何処へ?誰が?


「巨人、お前走れ」


こ…こンの野郎…っ…!!!


「分かった、走れば良いんでしょ!!」


――ただし、条件つきだ!



「――競走相手は高梨で!!」


豆鉄砲でも食らったような
きょとん顔を見てザマーミロゥ
と思ったのはここだけの話。
< 14 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop