恋のベクトル。
「梓外すなんて勿体ないね」
「確かに男子に負ける気はしない」
足の速さはごく僅かな自分が
自慢できる点の1つだ。
「…その自信が凄いよ、梓」
「こればっかしは親に感謝
してるわー花乃は?バレー?」
確かこの親友は運動が得意
では無かったと記憶していた
ような気が……
「そ。応援よろしくー」
ぱちっとウィンクをした花乃は
見事なコケティッシュ野郎だ。
…この小悪魔ぶりに翻弄された
男子も少なくはない。