A Time Limit

千里side





俺は小樽に来ていた。










理由はそう、週1回の検診のため。









もとから俺は小樽で生まれたから、小樽から引っ越した今もこの地に通い続けている。










「どう?先生。
俺の体の調子♪♪」









俺は医者に笑顔で訊ねた。
この先生は俺がこの病院に通ってからずっと俺を看てくれてる。
まぁ俺にとっちゃ今では親友みたいなもんかな。









「そうだねぇ……
依然として穏やかなままだよ。
良好っちゃ良好だし…
でもただ………「いつ発症するかわからない、でしょ?」









俺は先生の言葉を遮って続きを言った。









「そんなんわかってるよ。
小学生のときから知ってるんだ。
今更そんな思い詰めた顔しないでよ先生♪」










「ふっ……それもそうかもしれないな。
それはそうと、卒業おめでとう。
無事に千里が卒業できて本当によかった」










先生が柔らかく微笑んでそう言うから、俺は急になんだか照れくさくなったんだ。











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