あげは蝶
翔くための翼

初めての、初めて



−−−−−
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン

今年の桜が中学のときよりも
少し広い校庭に咲いている。



「わあ、綺麗……」
太陽の方向にある桜に思わず目を細めた。

まあ正しくいうと
桜の方に太陽があるんだけど。



その桜はキラキラと日光を浴びて
花をチラチラと輝かせていた。


「…あげは……。」

名前を呼ばれて後ろを振り返った。



そこには優しく顔をほころばせた"2番目のお母さん"がいた。


美和のことがあってから、お母さんは優しくなった。


なんでも、刺されたと聞いたときに心配で、あたしをほんとは大事に想っている、って気づいたとかで。




冷たくしてたのは、あたしのお父さんが自分よりもあたしを見ていたことに嫉妬したって話してくれた。




それから一緒にわんわん泣いて、これからは支えあって生きよう、って。
ほんとの親子になれたみたいだった。


これでほんとのお母さんへの未練、少しは薄れたかな、とか思ったり。




「"お母さん"……!」
やっぱり慣れないな。


「あっ、ほら入学式始まっちゃうわよ。教室早く行きなさい。"お母さん"は先に体育館にいるから。」



"お母さん"……。
しみじみとその単語に感動した。






−−−
あたしは生まれ変わる。
可憐に優雅に。

朝4時起きで全てをセットした。



え?みつあみをセットなんかしないよ。


あたしは、
"生まれ変わった"の!




< 15 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop