双子☆Love Another Story
「……家って、梨香の?」
「そうだよ?」
ようやくしゃべった佑樹の声は、いつになく緊張しているような感じがする。
「お母さんが佑樹を連れてきてって……あ、嫌だったら無理しなくても……「行く。」」
「えっ?」
「だから、行くって言ったんだよ。」
佑樹の声が大きくなってる。
……何か新たな一面を見た気分。
「……分かった。お母さんにも言っとくね。」
「部屋、片付けとけよ?」
「部屋?」
「梨香の部屋に入るの、楽しみにしてる。」
「えっ、ちょっ……」
電話からは、機械音だけが響いていた。