あなたに届いて
間に合うかな…
後20分だ
何でこんな時に渋滞なのよ
最悪…
もうこうなったら走るしかない
「あのここでいいんで降ります」
「はい?」
「おつりいらないんで」
「ちょ、ちょっと」
走んなきゃ間に合わない
後10分しかないよ
足痛いよ
―――――――…
「はぁ、はぁ…」
確かここら辺だったような…
あっ いた!!
「達樹っ!!」
「楓奈…」
「達樹ごめんね…私自分のことで精一杯で」
「そんなことないよ…来てくれてありがとう」
「そんなの当たり前」
「向こうに行ったら連絡する」
「うん…」
「月に一回は会いに戻るから」
「うっ…うー」
「約束するから」
「ふっ…うっ………」
「…だから泣かないで??」
「泣いてなんかない」
「楓奈…笑って??」
笑わなきゃ
笑わなきゃ
「えへっ」
「楓奈は笑顔が一番似合うよ」
―――――――…
ピーーー
「発車します」
達樹ぃー
行かないで…