鳥籠の姫
「んじゃ、自己紹介しますか?」
そう仕切り出したのは私の目の前に座る
爽やかな男の子。
「俺は柏木鷹(カシワギ タカ)
西野森高校の3年。次は君ねっ?」
そういうと私を指差した。
「初めまして。
日野梓(ヒノ アズサ)です
椿学園高校2年です。」
次々と自己紹介は進んでいく。
趣味やクラブなど言い合って
クラスの自己紹介みたいだと
心の中で思いながら聞いていた。
そして私から1番離れた席に座る
男の子に自己紹介が回ってきていた。
「武田陸(タケダ リク)です。」
たった一言。
それが妙に気になったのを
今でもはっきりと覚えている。