単細胞生物

3





「2階の201号室です」





家に帰ると、少し白髪の増えた母が玄関で僕を待っていた。




最初に口にした言葉は「おかえり」ではなく、雪の病院の名前だった。






コンコン。





「はい。」








久しぶりに聞く、雪の弱々しい透き通った声。





僕は体が震えるのを感じた。




ガチャ。





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