天秤の鏡界

その不器用な
優しさが嬉しくて
優衣は自然と笑顔を浮かべた



「…ありがとう
焦ってないって言えば
嘘になっちゃうけど

ネルやウル、みんなの
役に立ちたいから……
自分に出来る精一杯の事
をしたいの」



優衣はそう言って
ウルを見つめる


「後悔だけは
したくないから」


優衣の言葉に
ウルは小さく笑った


「…………っ!?」


優衣はその笑顔を
見逃さなかった


初めて……笑ってくれた…





< 100 / 153 >

この作品をシェア

pagetop