天秤の鏡界


『…お……ぅ…か…』


やっぱり気のせい
では無い


反響するように
声が聞こえた


『…お……ぅ………のか…』




酷く悲しい声
これはあたしの
憶測なのだけれど



「何て言ったの?」


優衣は暗闇の中で
一人叫んだ




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