Memory

いつも通りに準備して家を出ると
潤が待ってた。

「はよー♪」


昔のように笑って飛びついてきた潤に驚きを隠せない。


「はよ‥お前ずっと待ってた訳?」
「当たり前だろ?宏、遅すぎ」
「メールしてくれれば早く出たのに」

あえて病気のことは聞かなかった。

俺の言葉に確かにと
頭を抱えて悔やむ潤の姿を俺は笑って眺めてた。

本当に今日は調子良さそう。

あくまで俺の想像だけど‥

今思うと潤の制服姿って懐かしいな。


学校に着く前に祐介と会った。

「潤ーー!お前最近学校休み過ぎ!!」
「ごめんな。いろいろ忙しくてさ」
「別にいいけど、寂しかったよな?宏揆」

俺に話しを振ってくるとは思わなかった‥
寂しかったって言っても俺らは
毎日会ってたからな‥

「そーだな」

苦笑しながら話を流した。

ふと潤の方に視線を送ると祐介に気付かれないように
薬を飲んでた。

コイツ本当に大丈夫か‥?

「なぁ祐介。お前、野球部の後輩に呼ばれてんじゃねーの?」
「あ、そーだった!」
「元キャプテンは卒業式まで大変だな」
「うるせー。お別れの花束貰うんだよ!不真面目なお前らの分もな♪」
「サンキュー。ほら、さっさと行け」
「おう!また後でなー♪」

祐介は走って部室の方へと向かった。

さっきの間、潤は一言もしゃべらなかったから
多分きつかったんだと思う。

だから祐介には早く居なくなって欲しかったんだ‥

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