風の中で…
友達


ジリジリジリ ガチャッッッ
五月蝿い 目覚ましを止める。 「うぁ、眠いし」

いつもの朝。

「みさき 朝ご飯どうする?」

母親の声。

今日もまた
『雪田美咲』あたしのつまらない毎日が始まる

ー風の中でー

「行ってきまーす」
玄関で大声で叫ぶ。

誰からか返事が返ってくる訳では無いけど毎日言ってみる。

あたしの家族は4人
父 母 姉 あたし
普通の家庭に産まれ、
特に不自由無く生きてきた。


バンッッッ
「イターーッッッ」

背中を思い切り叩かれ振り向く
長身の男があたしを見下ろす
「はよっす。今日も天気めっちゃいいなぁ」

こいつは『吉岡優斗』
あたしの幼なじみで親友
男女の友情なんて信じ無いって言う人もいるけど
あたしは信じてる

「毎日毎日 叩かないでよッッッ」
優斗はあたしと同じ高校でバスケ部のキャプテン
それなりにカッコイイから
女子からもモテるし
男子からも信頼されている

「いやー…。そんな強く叩いてるつもり無いんだぜ?」

優斗の言い訳を聞いて、
たわいの無い会話をするうちに学校に着いた。


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