君の隣
「大丈夫。でもさっきのであたし、バカになったかもしれない」
「心配いらないよ、元々バカでしょうに」
「………」
これ以上、玲奈様にいろいろ言っても勝てないと思ったあたしは、怖いから言い返すのを止めておいた。
「あ、尋人」
すれ違う社員の中で、こっちに向かって来る尋人と周りの先輩たちの姿に気が付いた。
尋人もあたしに気が付いたらしく、目が合った。
相変わらずポケットに手を突っ込んで、偉そうにあたしに近付いてくる。
背の高い尋人は、背のちっちゃいあたしを見下ろしながら、
「飯、行こうぜ」
そう言った。